2021/12/10 16:15



祈雨原料図鑑ではkiuが選んだ原料と出雲の風土について紹介していきます。
kiuのキー成分の塩は出雲市大社町鵜鷺地区で安倍さんが作った塩を使っています。
鵜鷺(うさぎ)地区は出雲大社から北へ向かって車で約20分、鷺隧道(さぎずいどう)を抜けた先にあります。

日本海に面したこの地区は、鵜峠(うど)と鷺浦(さぎうら)からなり「出雲國風土記」には宇太保浜(うたほはま)、鷺浜(さぎはま)と記されていました。
島根半島の西端にあり、日沈みの宮と云われている日御碕(ひのみさき)神社にも車で15分ほどの場所に位置する小さな港町です。ここは昔、北前船(帆掛け船)が西風が吹くまで停船する「風待ちの港」でした。

安倍さんはしじみ漁師さんと共に出雲沖の綺麗な海水を汲み上げ、翌日その塩水の上澄みを釜に入れ、薪で丁寧に焚き上げて塩を作っています。
海水の汲み上げは鷺浦漁港から伝馬船に乗って800メートルほど沖に船を進めたところで行います。この場所まで来ると海の色は瑠璃紺色に変わり、海のにおいは優しい潮の香りに変化します。水深20メートルとは信じられないくらい、海の底まで見える透明度。波の揺らぎの中に光と影、その両方を感じることができます。
港に帰船すると近くにいる漁師さんたちが船繋がり(ふなかがり)を手伝ってくれました。声をかけずとも自然と手を貸してくれる。この土地には手を差し伸べあう文化が当たり前に残っているようでした。


安部さんはこの歴史ある港町の魅力を伝えるためにこの土地で昔から行われている塩作りを復活させました。塩釜に使う薪はこの地区で使われなくなった木材を利用して資源を活かした塩作りを行っています。
出雲の海の清らかさやこの土地の空気を感じることができる安部さんの塩。kiuのうさぎの塩石鹸には最初に結晶化される一番塩を使用しています。
塩に含まれるミネラルには不要な角質を取り除き、毛穴のよごれを溶かし出してくれる作用があることから美肌効果が期待できます。
また、古来より塩はお清めに良いとされており禊ぎ祓いの起源は古事記などの神話に見ることが出来ます。
イザナギノミコトが黄泉の国から帰った後、穢れを祓うために海水で身体を洗う「潮禊(しおみそぎ)」を行ったというくだりがあります。そこからお清めには塩という風習が生まれたと云われています。


出雲大社沖の海水でつくった石鹸でお顔も身体も清めるような気持ちで一日の疲れを洗い流してもらえますように。
出雲の人たちが育んできた古代の知恵を未来に繋げていくためにも、kiuはこの土地の恵みを使って安心して使うことのできる優しいスキンケアを作っていきます。

安部勇さん(鵜鷺げんきな会)
出雲大社の北側に位置する、海と森に囲まれた小さな町・鵜鷺(うさぎ)で昔から行われていた伝統の塩作りを復活させました。県内外に「鵜鷺」の名を知ってもらおうと活動を続けています。